水ぶくれを伴う赤い発疹が、体の左右どちらかに、帯状に出ます。
強い痛みを伴うことが多く、症状は3~4週間ほど続きます。
多くは腕や胸、背中に症状が出ますが、顔や首などに現れることもあります。
帯状疱疹による痛みや外見によって、日常生活が制限されてしまうこともあります。
●痛みがひどくて体を動かせない
●顔や首の発疹が気になって外出できない
●痛くて家事や仕事ができない
●痛みがひどくて眠れない
帯状疱疹の原因は「水痘・帯状疱疹ウイルス」です。
はじめて感染した時は水ぼうそうとして発症します。
治った後もウイルスは長い間体内に潜んでおり、普段は免疫力によって活動が抑えられています。
加齢やストレスなどで免疫力が低下するとウイルスが暴れだします。
ウイルスは、神経に沿って移動、皮膚に到達し、帯状疱疹を発症します。
日本の成人9割以上 1) が、すでにこのウイルスに感染したことがあり、体内にウイルスを持っています。
そのため、ほとんどの人が帯状疱疹になる可能性があります。
1)国立感染症研究所。2015。
日本では、80歳までに約3人に1人が帯状疱疹になるといわれています。2)
1)外山望。日臨皮会誌。
2)国立感染症研究所感染症疫学センター。
まだまだ元気だと思っていても、あなたもある日突然、帯状疱疹になるかもしれません。
帯状疱疹の皮膚症状が治った後も、何ヶ月、時には何年もつらい痛みが残ってしまう帯状疱疹後神経痛(PHN)になる可能性があります。
約2割の患者さんが、PHNに移行するといわれています。1)
まれに合併症による障がい・後遺症が残ることがあります。3)
●角膜炎などによる視力低下、失明
●難聴、耳鳴り、めまいなど
他にも様々な合併症があります。
1)Tako Y, et al. J Epidemiol.
2)比嘉和夫。治療。
3)Harpaz R, et al.MMWR Recomm Rep.
帯状疱疹を予防するワクチンがあります。
接種対象年齢は50歳以上です。
予防接種については、かかりつけの医師にご相談ください。
※予防接種は帯状疱疹を完全に防ぐものではありません。
また、日頃からの体調管理を心がけ、免疫力を低下させないことも大切です。
Q. | 1.帯状疱疹は他の人にうつりますか? |
A. | 周囲の人に帯状疱疹としてうつることはありません。しかし、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を保有していない人には感染する可能性があり、その場合は水ぼうそうを発症します。 |
Q. | 2.帯状疱疹に2回かかることはありますか? |
A. | 帯状疱疹になると、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する強い免疫がつきますが、かかった人のうち数%は再発するといわれています。 |
Q. | 3.水ぼうそうにかかったことがあるかどうかわからないのですが、帯状疱疹になる可能性は? |
A. | 帯状疱疹になる可能性はあります。 水ぼうそうの症状が出ていなくてもウイルスが体内に入り込み、潜んでいる場合があります。 日本の成人では、9割以上 1)がこのウイルスを体内に持っているといわれています。 したがって、ほとんどの人は帯状疱疹になる可能性があります。 |
Q. | 4.帯状疱疹にかかったらどんな治療をするのですか? |
A. | ウイルスを退治する抗ウイルス薬や、痛みを抑える鎮痛剤などを使います。 抗ウイルス薬による治療は、できるだけ早く開始することが大切ですので、痛みを伴う発疹を見つけたら早めに受診してください。 |
Q. | 5.予防接種について詳しく知りたいのですが。 |
A. | 帯状疱疹予防には、子どもの水ぼうそう(水痘)予防に用いられているワクチンと同じワクチンを使用します。 50歳以上の方を対象とし、皮下に1回接種します。かかりつけの医師とご相談の上、接種をご検討ください。 |
1)国立感染症研究所。2015。